2023年9月からイギリス(英国イングランド)で生活をしている。
海外在住の日本人のインスタやブログを見ると、とにかくみなさんキラキラしている。それもそのはず、わざわざカッコ悪いことを書く必要はないのだから。しかし、いい部分だけを切り取って見せびらかすのも何か違う気がする。
華々しさとはほど遠い海外生活のリアルを伝えられればと思う。
とにかく金銭的にひどいタイミングでイギリスに来てしまった
無駄づかいをしているわけではないのにお金には縁のない人生を送ってきた私だが、今回のイギリス生活もその例にもれない。私がイギリスに来ることが確定したのが2023年4月だったが、そのとき 1ポンド(£1)160円台だった為替相場が、7月8月には180円台になってしまった。
以下の図は楽天証券のウェブサイトからの引用。
https://www.rakuten-sec.co.jp/web/market/data/gbp.html
本当に勘弁してほしいとしか言いようがない。
住む予定の家の家賃が、為替の急変でカードの1回の支払い上限額をギリギリを越えてしまい、一括で支払えずなんとか分割払いにしてもらったこともあった。しかも未だにこの円安の傾向が解消される見込みがない。ずっと日本で暮らしてきて、給料も貯金も日本円の私にとってはもはや恐怖でしかない。
しかも最近は1ポンド200円付近である。180円台だった頃が懐かしいレベルである。
しかし10年くらい前も1ポンド200円くらいだったような、と思ったので気になって調べてみた。
以下も楽天証券の同じウェブサイトから。
2015年頃も190円台で、2015年後半に急に円高になってしまったようだ。しかし2015年も200円には達していなかった。歴史的な円安水準と言わざるをえない。
フードシェアアプリで生活費を圧縮
光熱費込の家賃はどうやっても切り詰められないので、食費や日用品を切り詰めて生活するしかない。
そこで大変役立っているというか、もはや私のイギリス生活の生命線とも言えるのがフードシェアアプリだ。このアプリを使って、私は家賃(光熱費込み)を除く生活費を1か月 £100(約2万円)まで圧縮している。British や現地在住の日本人もびっくりの安さである。というか日本よりも生活費が安いかもしれない。
私が使っているのは Olio というフードシェアアプリだ。
公式ウェブサイト(英語のみ)は以下のとおり。
https://olioapp.com/en/
自分の家を登録すると、そこから近いご近所さんで余った食品を分けてくれる人が表示される。
その人にアプリを通じて連絡して、日時調整をしたあとに住所を教えてもらい、その食品を受取るというシステムだ。
しかも、スーパーの廃棄食料を分けるシステムができあがっている。ボランティアの人がスーパーの廃棄食料を引き取り、アプリを通じて近所の人にシェアするのだ。ボランティアの人は引き取った全体の10% にあたるほしい食品を優先して受け取れるというメリットがある。
当たり外れはあるが、私の直近(2024年6月7日)の収穫は以下のとおり。
この日は大当たりの日で、肉、野菜、朝手軽に食べられるサンドイッチなどの食品が大量に手に入った。私は独り身なので、これで1週間は生活に困らない。
このアプリの存在を知ったのは、実はNHKニュースのウェブサイトだった。イギリスに来てすぐの2023年9月末頃、なんとなく日本のニュースが気になり調べたら、以下の記事が目に入ったのだった。
物価高の救世主?イギリスで注目のアプリとは?
https://www3.nhk.or.jp/news/special/international_news_navi/articles/cor/2023/09/28/34677.html
まぁそもそも、円安に加えて、現地のイギリス人も生活に苦しむほどの物価高というのも本当に困ったものだ。日本から来ている人達はみんな二重で貧乏になっている。給料がポンド建てでも苦しいというのに、その上日本円しか持っていないのだから。
おかげで賞味期限が切れた食品ばかりを食べている。このアプリでシェアされる食品は賞味期限が切れる前のものではあるのだが、実際には受け取った翌日には賞味期限が切れる。
私はあまり気にしない、むしろ日本でもコンビニやスーパーの廃棄食材がもったいないと子供の頃から思っていたような人間だから、タダで食品が手に入るなら御の字だ。でも、他の日本人に薦めてみても、やはり普通の人は抵抗があるようだ。まぁ、近所とはいえ知らない人の家に受け取りに行くのもなかなか勇気がいるのかもしれない。
私の住んでいる街はこのアプリが比較的メジャーなようで、他の都市だとアプリをインストールしてもなかなか食品が手に入らないことも多いらしい。お金には縁がないが、この点においては運が良かったと思って毎日しっかり栄養を取っている。
オチとして、私の生活費約100ポンドのうち 2~3割は酒代である。本当はこれを真っ先に切り詰めるべきなのであろうが、外食もせず、ロンドンのような大都市に出かけることも普段控えているので、日々の小さな楽しみとしてこれだけは削れない。