物価高・超円安でも日本より安い一部の食品たち【イギリス貧乏生活日記】

物価高✕円高のダブルパンチで、日本円ベースで生活しているお金持ちではないイギリス在住の日本人には生き地獄のような状態が1年近く続いている。しかし、一部ではあるが日本円に換算しても日本より安く売っている食品もある。
すべてを網羅しているわけではないが、把握している範囲で紹介したいと思う。

おことわり

  • このページの情報は2024年6月現在のものであることをご了承ください。
  • 価格は1ポンド=200円で計算しています。
  • 商品の価格は同じイギリス国内でも販売地域によってかなり上下します。
  • このページで紹介している価格は、私の住んでいる地域で最安値のものばかりである。この価格よりも高い値段で売られていることがほとんどだし、客寄せのいわゆる廉価ブランドみたいなものが大部分です。同じ系列のスーパーに行っても取り扱っていないこともあれば、目立たない場所に置いてあって見つけるのに苦労することもあることをご了ください。

牛乳(2リットル以上)

  • 販売場所:大部分の大型スーパー
  • 価格:4パイント(2.272 リットル)1.45 ポンド
  • 日本円換算:1 リットル約 128円

いわゆる無加工の牛乳。
イギリスの度量衡は距離(ヤード、マイル)以外は日本と同じだが、なぜか牛乳だはパイント(1パイント約568 ml)を使っている。おそらく、リットルに直すと消費者が事実上の値上げだと反発するからだと思っている。
ちなみにお酒は 1パイント缶も売ってはいるが多くは見かけないし割高だ。500 ml 缶や440 ml 缶(これも中途半端)の方が主流である。過去のどこかで一度事実上の値上げをしたのかもしれない。

お米

  • 販売場所:ALDI
  • 価格:1 kg 58 ペンス
  • 日本円換算:10 kg 約 1,160円

お米は ALDI が一番安い。ただし、うるち米ではなく、細長いお米だ。炊くとややパサパサしていてチャーハン向きである。
うるち米は中華食品店(中華食品店が日本食材や韓国食材を一緒に取り扱っていることが多い)だと手に入るが、その場合日本の価格の 2倍以上である。
個人的には、炊飯器を持っておらず、フライパンで作るのも時間がかかるのであまり買っていない。

オートミール

  • 販売場所:ALDI, Tesco Extra, Sainsbury’s
  • 価格:1 kg 90 ペンス
  • 日本円換算:10 kg 約 1,800円

割とどこでもこの価格で売っている。お米より割高だが、レンジ可の耐熱容器に入れて、水かお湯を入れて数分すれば食べることができる手軽さが魅力である。お米と比べるとカロリー低めで食物繊維やビタミン類が多いのも良い。そして割高とはいえ、日本のお米よりも安い。日本で売っているオートミールと比べると格段に安い。
好き嫌いが分かれるが、私はお米の代わりに食べている。

コーンフレーク

  • 販売場所:ALDI
  • 価格:500 g 75 ペンス
  • 日本円換算:1 kg 約 300円

日本で 300 g くらいの箱が 300円近くで売られているのを考えると、格段に安い。牛乳と組み合わせればビタミンとミネラル豊富な朝食を手軽にかつ日本より安くいただける。

スパゲッティ

  • 販売場所:Morrisons
  • 価格:500 g 28 ペンス
  • 日本円換算:1 kg 約 112円

スパゲッティは日本でも安く売っている店はあるが、それ以上に安い。エネルギー対コストでは、おそらくお米を上回る価格の安さだろう。
ただし、トマトソースなど味付けのものがあまり安くない。

にんじん(根菜類)

  • 販売場所:Sainsbury’s
  • 価格:1 kg 約50 ペンス
  • 日本円換算:1 kg 約 100円

各種ビタミンが取れるのでありがたい。
にんじん以外にもじゃがいもや、スイードという名前のじゃがいもとかぼちゃの中間のような根菜も安く売っているが、価格は変動しやすい。

ベーコンとして売られている豚肉

  • 販売場所:Sainsbury’s, Morrisons
  • 価格:500 g 1 ポンド
  • 日本円換算:100 g 約 40円

肉は基本的に高いが、Sainsbury’s と Morrisons で売っている廉価版ブランドのベーコンは日本で買う豚肉よりも安い。ベーコンといっても上の写真のように火を通していない肉のかたまりが入っているので、茹でたり焼いたりと普通の豚肉と同じように調理できる。
ただし、ベーコンという名のとおり、塩漬けされている。そのため塩辛いと感じる人も多いと思う。私は野菜と一緒に茹でて塩抜きかつ出汁をとったりして食べることが多い。

おまけ:考えようによっては安いアルコール度数低めのビール

  • 販売場所:Tesco Extra, Morrisons, ASDA(不定期)
    • ALDI に別ブランド同価格の 4缶のビールが置いてあることもある。
  • 価格:440 ml 18缶 10 ポンド(440 ml 1缶約56ペンス)
  • 日本円換算:1缶約111円、100 ml あたり 25.3円

ビールは基本的に 1缶 1ポンド以上で売られているが、大型スーパーでセール的に不定期で、といっても割と高頻度に売っている 440 ml 18缶のビールは 1缶 1ポンド未満で購入できる。1ポンド未満のビールは Carlsberg とか BUD LIGHT といったアルコール度数 3.4% と低めのものばかりである。日本のことを知っているネイティブに言わせれば、日本でいう発泡酒のような位置づけで、本当にビール好きには美味しくないらしい。
ただし、日本ではアルコール度数が 3%であろうと小麦から作られていれば「ビール」であり、ビールとしての酒税がかかる。ビールの酒税は2020年10月と2023年10月に下げられたそうだが、それでもこの価格でビールを買えないことを考えると割安なのかもしれない。

個人的なわがままをいうと、2020年10月にビールの税率が下がったにもかかわらず、既存のブランドは値段が下がったと思えなかった。元々がかなり割高の価格設定だということと、ブランド価値を下げるわけにはいかないという事情もあるのだろうが、なんとも納得いかない。そして新しい低価格帯ブランドも、発泡酒ほど安さを感じない。

さらにおまけ:食品は基本的に非課税

イギリスには日本の消費税にあたる付加価値税(VAT)があるが、食品は基本的に非課税である(お酒や高級品にあたる食品を除く)。生きるために生物学的に必要なものに課税するということは国民目線でいえば許しがたい行為らしく、そのため 2021年1月には生理用品のVATが撤廃された。(参考:Tampon tax abolished from today – GOV.UK
そもそも課税撤廃される前は BBC などが「タンポン税」と名付けて批判的に報じていた。課税撤廃もある日突然決まったというわけではなく、長い年月をかけてキャンペーンがあったようだ。(参考:2017年11月20日 Tampon tax: How much have you spent? – BBC NEWS
日本でも消費税などについて議論が止まないが、新しい税制を考えるのと同時に、既存の税制の公平さについても国民レベルで考えはっきり意見発信すべきなのだと思う。

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