光の波長が測定できる分光計組み立てキットの販売を始めました!
当サイトオリジナルのペーパークラフトです。
以下のリンク先からご購入いただけます。
【商品販売】光の波長の測定ができる分光器組み立てキット
(2021年7月17日追加)
夏休み最後の1週間・・・宿題に追われている子供たちもいるのではないでしょうか。
そして特に親御さんを悩ませるのは(そう、本人ではなく)自由研究のテーマだと思います。
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日本の夏休みの自由研究は、親御さんの負担が半端ないと思います。
私は小学生の頃、浄水場やら下水処理場やら役所の道路課等にいったのですが、母がアポイントをとってくれなければ、そもそもウェブもなかった時代、どうやって図書館の本以外の情報を得るか、一人では何もできなかったでしょう。
手軽なテーマがいいですよね。
とはいっても、あまりお手軽すぎると、ちょっと手抜き感が出てしまってよろしくない・・・。
比較的簡単で、かつ見栄えのするような自由研究のテーマ、ないものでしょうか。
あります!!!
それが、アイキャッチ画像の液体です。
タイトルのとおり、これはなんと飲み物です。
しかも、意外と身近な飲み物です。
それは以下のとおり。
そう、なんと「オロナミンC」。
近所のスーパーでもコンビニでも薬局でも、手軽に買えるのではないでしょうか。
しかも、1本100円ちょっとだし。
で、もちろん、何もしないで光るわけではありません。
多分みなさんカラオケ店などでご存じの「ブラックライト」を当てればいいのです。
私のブラックライト
ブラックライトの光は直接見ないようにしましょう。
失明するほどでないまでも、決して目に良くはないので。特にお子様には。
・・・ちなみに、写真のブラックライトは私が某量販店で買ったものなのですが、2千円くらいしました。
しかし、ネットにはもっと安いブラックライトがあふれています!!損をしてしまった・・・。
以上二つはわりとおススメです。
価格帯は、特別安くはなく、高い方でもない。
でもあんまり安いものだと光が弱くて十分光りません。(実話)
それなりのものが「安物買いの銭失い」にならなくてよいと思います。
さて、このブラックライトをオロナミンCに当てると、このとおり!
おお!光った!!
・・・でもなんで?
それは、ビタミンB2のおかげなんです。
ちなみに、以下はビタミンB2の分子模型です。
この分子模型が、ビタミンB2の分子の姿です。
さて、分子の上の方に、六角形の輪っかが3つできている部分があると思います。
この輪っかの部分には、たくさんの電子がフワフワ漂っています。
この部分に、特定の波長の光(ブラックライトの光)を当てると、その光のエネルギーを電子が吸収します。しかし、電子はすぐにもとのエネルギーに戻ろうとします。
電子がもとのエネルギーに戻るとき、ブラックライトの光から吸収したエネルギーを、黄色い光で放出します。
ちなみに、上のビタミンB2の分子模型は、「モルタロウ 基本Bセット」のみで組み立ててみました。
「基本Bセット」だけならお値段もそこまで高くはない(2千円)ので、興味のある方は上の写真と、ネットで「ビタミンB2の構造式」を調べてみて、ぜひ組み立ててみてください。
窒素元素(大きい緑色の球)のパーツが少ないので、「基本Bセット」だけだとちょっと工夫が必要ですが。
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・・・さて、これだけでは自由研究になりませんね。
以下のテーマで、身近にある色々な飲み物にブラックライトを当てて調べてみましょう。
身近にある「光る飲み物」を探そう!どれが一番光るかな?
これ、大したことをやってなさそうですが、全く同じ条件(使うコップが同じ、部屋の暗さが同じ、ブラックライトの光の強さが同じ)なら、光が強いほどビタミンB2をたくさん含んでいるということになります。
そう、ビタミンB2の量を「蛍光分析」しているのです!そう書くと、ちょっとカッコいいね。
ちなみに、オロナミンC以外にも、リポビタンDとかデカビタCは光ります。
さりげなくとても光るのは「ビール酵母の錠剤を溶かしたもの」です。
私はレッドブルで試したことがないので、どなたか試してみてください。
明らかに光るもの以外にも、炭酸水、スポーツ飲料、ビタミンが入ってそうな炭酸飲料などをいくつか買ってみて、光の強さ(=ビタミンB2の量)を調べてみましょう。
※2021年4月25日追加
ビタミンB2を含む栄養ドリンクのような飲み物以外にも光る飲み物があることを最近知りました。
トニックウォーターです。
トニックウォーター自体はお酒ではないので、未成年でも購入できます。
トニックウォーターにブラックライトの光を当てると、このとおり!
青く光ります。
これはトニックウォーターの中に入っている香料「キニーネ」という分子によるものだそうです。
キニーネは人工物ではなく、キナという樹木の皮から抽出した天然の化合物です。
ただし、トニックウォーターの中にはキニーネを含まない商品もあるそうです。
少なくとも上の写真で示したカナダ・ドライのトニックウォーターは光りました。
興味がある方はぜひお試しください。
光らないトニックウォーターと比べてみるのも面白いかもしれません。(味も含めて。)
これだけでも結構見栄えのする自由研究になると思います。
小学生~中学生のどの年代でもおススメです。
分子模型を作ってみてもおもしろいですが、上で説明した光るメカニズムをきちんと理解しまとめるのはちょっと難しいかもしれません。
本気を出すなら、ビタミンA、B1、B6、B12、C、D、Eの分子模型を全部作ってみて、ビタミンB2の三つの輪っかの部分がほかのビタミンにはないことを確認してもいいかもしれません。
しかし、輪っかの部分自体は他のビタミンも持っているので、違いが分かりにくいかも・・・。
あと、ビタミンB12の模型は、パーツがたくさんいるし、ひとつ作るだけで2時間くらいかかります。下の写真のような感じになります。
ちなみに、この分子模型は「HGS分子構造模型」という、おそらく日本の化学関係の方々には昔から有名な模型で作りました。
ただし、いくつかのセットを組み合わせて作った記憶があります。分子模型は決して安くはないので、夏休みの自由研究だけのために買って組み立ててみるのはおススメできません。
その後も末永く使って勉強してみる、ということであれば、購入してみるのもよいかと思います。
もちろん、モル・タロウでも組み立てることはできます。ただし、やはりパーツがたくさんいるので複数のセットを買う必要があります。
他にも身近に光るものを探してみよう
実は、ブラックライトで身近に光るものはたくさんあります。
洗剤で洗濯した白いシャツがブラックライトで光るのは、カラオケ店で経験したことがある人も多いはず。
あと、日本のお札ではできないのですが、海外のお札だと偽造防止のためにブラックライトを当てると光るものがあります。
下は、タイの20バーツ札の例。(手元に外国のお札がそれしかありませんでした。)
通常の光
ブラックライトを当てたとき
写真ではわかりにくいですが、黄色く光る細い線がいくつか入っています。
国によってはきれいな絵が現れたりするので、この夏海外旅行で外国のお札を記念に持って帰った人はぜひ試してみてください。
・・・ちなみに、なぜか分子模型「モルタロウ」も一部のパーツが光りました。
着色された透明なプラスチックなんかも、含まれている塗料によっては光るものがあります。
・・・というわけで、ブラックライトを入手し、薬局・コンビニでドリンク剤や清涼飲料をいくつか買って、この夏を頑張って乗り切ってください!!
(ちなみに私は夏休みの宿題を10月まで提出しなかったことがあります。悪い子でしたね。)
2021年4月25日更新
2021年7月17日更新
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