私はわりとずぼらな人間だ。
このウェブサイトの更新も、1週間何もしないことがあったりと、とにかく何事も適当に、無理せずやる。
そんな私にもほぼ毎日欠かさずやることがいくつかある。そのひとつが気象庁のホームページの地震情報をチェックすることである。
もともと大学院でそういう研究をしていたのも理由ではあるが、気象庁の地震情報はもともと頻繁に確認していた。そして、2011年3月11日の東北地方太平洋沖地震(いわゆる「東日本大震災」)以降は、ほぼ毎日地震情報をチェックするようになった。
それをしたからといって、自分の身の安全が守られるわけではない。もはや、単なる習慣であり、趣味である。
しかし、東日本大震災を境に、明らかに日本全国の地震の「起き方」は変わったと感じる。
毎日地震情報をチェックしていると、「え?こんなとこで地震起きるの?」と思うような地震もある。
というわけで、ここはマイナーなブログの性質を活かして、個人的に気になる地震情報を少しずつシェアしてみようと思う。
2017年7月13日04時49分 日本海西部を震源とする地震
気象庁ホームページから転載
http://www.jma.go.jp/jp/quake/20170713045605395-130449.html
この地震、地震の規模を示すマグニチュードは6.3と、かなり大きい。
しかし、まったく話題になっていない。
理由は、日本のほとんどが揺れなかったため。
気象庁の地震情報には、日本の各市区町村単位で設置されている地震計で震度1以上(体に揺れを感じる地震)の地震でないと、公表されないという特徴がある。過去に某北の国が核実験を行い、日本でその揺れを観測したということがあったが、それは人間が揺れを感じるレベルではない地震だったので、特に公表されなかった。
さて、この地震が最も興味深いのは、震源の深さが約590kmという点。
あまり知られていない(かもしれない)事実だが、地震は深さ約670kmより深いところではほとんど発生しない。この地震は、ほぼその最深の位置を震源とする地震だったということだ。
地震の起きた位置からして、太平洋プレートが北米プレート(あるいはこの場所ではユーラシアプレート)に沈み込んだその境界で起きた地震であることは間違いない。そのため、地震の揺れも太平洋プレートに沿って、太平洋側の一部の街で観測されたのだろう。
この地震の震源、太平洋プレートの沈み込み角度が教科書的には最も緩やかな場所である。
プレート沈み込み境界についてはまた別の機会に解説するとして、そういう意味では貴重なデータのひとつになるだろう。
まぁ、人類にとって地震は起きないに越したことはないのだけれど。