久しぶりに衝動買いしてしまった計算尺の魅力・・・

circular slide rule/円形計算尺

今の日本に珍しくはないと思うが、私はかなり節約志向の高い(悪く言えば「ケチな」)人間なので、そう滅多なことでは衝動買いをしない。
お店では、最初から買おうと思っていたもの以外は基本的に買わない。数百円もしない食料品ならばともかく、500円を超えるようなものは事前に予定していない限り買わない。

そんな私が、今日何年かぶりに衝動買いしてしまったものがある。
それが、上の写真にある「計算尺」だ。

若い方は・・・いや、私と同じ30代でも知らない方の方が多いかもしれない。
この計算尺(けいさんじゃく)とは、計算機なのである。
見た目ではわかりにくいが、この計算尺はかなりの優れもので、足し算引き算はできないのだが、掛け算割り算、指数対数、三角関数等の、高校数学で習うような比較的高度な計算ができるのだ。

ただし、私が衝動買いした写真の計算尺は、残念ながら三角関数の目盛りがない。

円形計算尺の裏面。ここに三角関数計算用の目盛りがあるはずなのだが、
今回買ったものにはなかった。

高校のとき、図書館で借りた本でこの計算尺の使い方を習得してから、私は大学時代に関数電卓を買わなかった。まぁ、今の時代関数電卓がなくても、Windowsの電卓に関数電卓機能はあるし、エクセルでよほどの計算以外はできるのだが・・・。
大学の講義で関数電卓持ち込み可の試験や、物理実験のような演習においてその場で計算を求められるような場面でも、この計算尺だけで十分乗り切ってきたことを思えば、その実用性は折り紙つきだと思う。
(ちなみに、学生時代の私が関数電卓を買わなかったのは、関数電卓と同等の機能を持つ計算尺を既に持ち使いこなせるので、関数電卓に数千円の価値を見いだせなかったためだ・・・。)

この関数電卓、何がすばらしいかというと、電池がいらないことだと思う。

今後、人類社会で化石燃料が尽き、太陽光発電などがあるとはいえ電気を使うこと自体が贅沢と見なされるような時代が来たとしても、計算尺さえあれば、現在の社会を支える技術的な計算は十分にできる。事実、第二次世界大戦後にトランジスタが発明され、計算機が開発・小型化されるまでは、人類はこの計算尺で当時最先端の技術を支えてきたのだ。
映画で言えば、「風立ちぬ」や「アポロ13」でも計算尺を使うシーンがある。飛行機やロケットも、この計算尺さえあれば開発できるのだ。

この計算尺の使い方、少しずつでもこのサイトで使い方を解説していければと思う。

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