9900万年前の琥珀の中から、鳥の雛の化石が発見されたそうだ。
恐竜時代のひな鳥を発見、驚異の保存状態、琥珀中<National Geographic 日本版>
http://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/news/16/b/061300091/
詳細は上記の記事を見ていただきたいが、羽毛やら足やらがかなりはっきりと残っている。
さて、琥珀の中の化石というと、私の世代がどうしても思い出すのは映画『ジュラシックパーク』だ。
映画中では、琥珀の中の蚊の化石に含まれる、別の動物の血液のDNAからゲノムを復元し、現代に恐竜たちを蘇らせた、という話だった。
その発想は、当時とても画期的なものだったように思う。
しかし、実際にはこの方法は使えない、というのが21世紀の見解だ。
DNAが自然に分解・劣化してしまうのはもとより、DNAが琥珀成分と触れると、50年以内に完全に分解してしまうという研究結果もあるそうだ。
(詳細は下記リンク先の「図3」横に記述されている。)
ネアンデルタール人のゲノムからわかった事<JT生命誌研究館>
https://www.brh.co.jp/communication/shinka/
ところが、素人目に思うのは、この雛鳥の化石くらいの大きさならば、化石の奥の方の細胞は琥珀成分と接触していない可能性もあるように思う。
化石というからには、琥珀成分と雛鳥の体を構成する分子が置換している可能性は高いが、ネアンデルタール人のゲノムを復元できる今の技術ならば、ある程度の精度で、一部分でもゲノムを復元できるのではないだろうか。
この化石から得られる今後の情報に期待したい。