5月7日(日)配信のニュースで、海底にある熱水噴出孔の周辺で電流が確認されたと報じられた。
<熱水噴出孔>周囲で電流確認 有機物に影響、生命誕生か
https://mainichi.jp/articles/20170507/k00/00m/040/113000c
40億年前の原始地球では、海底の熱水噴出孔周辺にある硫化物によって、二酸化炭素や窒素から有機化合物が生成されていた・・・という学説自体は数十年前からあったと学生時代に習った記憶がある。
有機化合物が単純な化合物から生成されることで有名な実験として「ミラーの実験」があるが、この実験で有機物の材料となるメタンやアンモニウムは、木星型惑星に多い大気成分なので、地球型惑星での有機物の生成とは無関係と考えるのが妥当らしい。
一方で、海底の硫化物が二酸化炭素や窒素を有機化合物へと変化させるメカニズムははっきりわかっていなかったと思う。今回、熱水噴出孔の周辺で微弱な電流が確認されたのであれば、原始地球での有機化合物の生成メカニズムや、その先の生命誕生の謎により一歩近づけるかもしれない。