大英自然史博物館展で見た世界に名だたる日本の輝安鉱

6月11日(日)まで東京・上野の国立科学博物館で開催されている大英自然史博物館展。世界中から様々な標本を集めている大英自然史博物館だが、もちろん日本出身の標本たちも多々ある。
中でも、世界トップクラスの大きさ・美しさを誇る鉱物標本が、愛媛県西条市の市ノ川鉱山で産出した輝安鉱 (Stibnite) 標本だ。

輝安鉱はアンチモン(元素記号:Sb)の硫化物であり、アンチモンの主要鉱石である。
愛媛県の市ノ川鉱山では、写真のような巨大で結晶形の美しい鉱石(標本)が多々産出したようである。鉱山は既に閉山してしまっているので、さすがに今では大きな標本は発見されにくいものの、およそ10年前に私が学生のときに訪れた際も、非常に小さいながらも輝安鉱の結晶を採集できて感動したものである。


この大きさ、この金属光沢、剣のような真っ直ぐの結晶・・・正に市ノ川の輝安鉱である。


標本のラベルにも堂々と記載されている「日本 愛媛県西条市」の文字。


この標本、あまり気にしない人も多いが、裏側から見るとしっかり母岩(鉱物結晶の根本の岩石)が残っている。写真の白い部分だ。一目で熱水(地中で300~400℃の高温水)中で成長した結晶であることが推測される。母岩が白いのも、熱水により変質してしまった結果だ。

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