割り算の計算例 【計算尺の使い方7】


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「計算尺の使い方」まとめ

実際に割り算を計算してみる

「割り算のやり方と『位取り』」では割り算の基本的なやり方(内尺法と標線法)と位取りの方法を紹介しました。
ここでは、実際にいくつかの割り算を計算してみましょう。

申し訳絵有りませんが、内尺法と標線法、そしていくつかある位取りの方法をすべて網羅するのは難しいです。ここでは一例として計算を紹介しますが、どのような方法で計算しても計算結果は同じになります。
みなさんのやりやすいと思う方法で実際に計算尺を動かしてみて、計算尺の操作に慣れましょう。

計算例1 22.8 ÷ 4.55

内尺法で計算してみます。

(1)割り算の内尺法なので、使う目盛りは外尺の「D 尺」と内尺の「C 尺」です。

(2)22.8 → \(2.28 \times 10\) として、D 尺の「2.28」にカーソル線を合わせます。

(3)C 尺の「4.55」とカーソル線が合うように内尺を動かします。

(4)C 尺の基線「10」にカーソル線を合わせると、D 尺上に答の「5.01」が示されます。

(5)位取りをします。
この計算の場合は概算で位取りするのが楽です。
22.8 → 20、4.55 → 4 として、 \(20 \div 4 = 5\) なので最終的な計算結果の桁は1 の位となります。
計算尺上の数値の答は「5.01」だったので、この計算の答は「5.01」となります。

位取りはどのような方法で行っても構いません。
やりやすいと思う方法で行いましょう。

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計算例2 0.813 ÷ 376

内尺法で計算してみます。

(1)割り算の内尺法なので、使う目盛りは外尺の「D 尺」と内尺の「C 尺」です。

(2)0.813 → \(8.13 \times 10^{-1}\) として、D 尺の「8.13」にカーソル線を合わせます。

(3)376 → \(3.76 \times 10^{2}\) として、C 尺の「3.76」とカーソル線が合うように内尺を動かします。

(4)C 尺の基線「1」にカーソル線を合わせると、D 尺上に答の「2.161」が示されます。有効数字4 桁目の「1」は、目盛りと目盛りの間を読み取ります。

(5)位取りをします。
この計算の場合、0.813 をほぼ 1 と見なすことで、逆数の場合の位取りが使えます。
376 は 3 位の数なので、この逆数は小数第 3 位から始まります。
計算尺上の数値の答は「2.161」だったので、この計算の答は「0.002161」となります。

逆数の位取りについては「割り算のやり方と『位取り』」の後半で詳しく解説しています。もちろん、他のやり方で位取りをしても問題ありません。

計算例3 186 ÷ 0.0139

2つの数の割り算では、内尺法で計算すれば確実に計算結果が出ますが、この問題は練習のため標線法で計算してみます。
もちろん内尺法で計算しても同じ結果が出ます。

(1)割り算の標線法なので、使う目盛りは外尺の「D 尺」と内尺の「CI 尺」です。

(2)186 → \(1.86 \times 10^{2}\) として、D 尺の「1.86」にカーソル線を合わせます。

(3)CI 尺の(左)基線である「10」とカーソル線が合うように内尺を動かします。

(4)0.0139 → \(1.39 \times 10^{-2}\) として、CI 尺の「1.39」にカーソル線を合わせます。円形計算尺では、カーソル線がD 尺上に答の「1.338」を示します。
一般的な計算尺では目外れしてしまうので、CIF 尺の「1.39」にカーソル線を合わせ、DF 尺上に答の「1.338」が得られます。
有効数字4 桁目の「8」は、目盛りと目盛りの間を読み取ります。

(5)位取りをします。
どのような方法で行っても大丈夫ですが、ここでは10 の指数を使う方法で位取りをしてみます。
$$ 186 \div 0.0139 = \frac{186}{0.0139} $$
$$ = \frac{1.86 \times 10^{2}}{1.39 \times 10^{-2}} = \frac{1.86}{1.39} \times  10^{2+2}$$
となることから、最終的な計算結果の桁は \(10^4 \) となることがわかります。
計算尺上の数値の答は「1.338」だったので、この計算の答は「 \(1.338 \times10^4 = 13380\) 」となります。

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ここまでが計算尺の基本操作です

掛け算と割り算をそれぞれ内尺法と標線法の2 種類の方法で計算できるようになれば、計算尺の基本操作を押さえたことになります。

慣れるまでは目盛りを読むのにわりと苦労します。計算尺の目盛りの刻みは部分部分で異なっているので、最初のうちは目盛りを読み違えたりすることも多いです。
しかし、慣れてしまえば意外と簡単に計算できるようになります。

掛け算と割り算は計算尺の基本となります。
色々な問題を実際に解いてみて、時には電卓での計算結果と比べてみたりして、計算尺の操作と特性に慣れましょう。

計算尺に関する記事一覧

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