二乗の計算 【計算尺の使い方10】


「計算尺の使い方」まとめ

二乗の計算で使うA 尺の特徴

計算尺で二乗を計算するときは、D 尺とA 尺を使います。
そして計算で混乱しないためには、A 尺の特徴を知っておく必要があります。

A 尺の目盛りを見てみると、左端の目盛りは「1」、右端の目盛りは「100」(円計算尺では 1 周して「1」)となっています。そして中央(円計算尺では円の半周分)に「10」の目盛りが振られています。
以下の図に示すように、A 尺は2 つの対数目盛を横に並べ、1 から 100 までの対数目盛りが振られています。
説明のため、A 尺の1 から 10 までの部分を \(A_1\) 尺、10 から 100 までの部分を \(A_2\) 尺と呼ぶことにします。

二乗の計算の位取り

二乗の計算をするときも位取りは必要です。
普通の掛け算・割り算のように概算を行うのも良いですが、二乗だけを計算する場合は次のような方法があります。

二乗にする数を10 の指数表記にして桁が10 の nだったとき、つまり数を \(M \times 10^n \) と表記したとき、計算結果に 10 の 2nを掛けます。
したがって計算結果は \(M^2 \times 10^{2n} \) です。 \(M^2 \) の部分は計算尺で計算します。

注意点としては、 \(A_1\) 尺に答が出た場合は答を 1 から 10 の範囲で、 \(A_2\) 尺に答が出た場合は答を 10 から 100 の範囲で読みます。
目盛りをそのまま読むだけのことなのですが、 \(A_2\) 尺の範囲の目盛りは 20、30、・・・ではなく 2、3、・・・と表記されているものもあるので気を付けましょう。これを間違えると、特に\(A_2\) 尺に答が出た場合に桁を 1つ間違えてしまいます。

以下、具体的な計算例で位取りについても見ていきましょう。

計算例1 \( 14^2 \)

(1)\( 14 → 1.4 \times 10 \) として、D 尺の「1.4」にカーソル線を合わせます。

(2)そのままA 尺を見ます。カーソル線が \(A_1\) 尺(A 尺の1 から 10までの範囲)に答の「1.96」を示します。

(3)位取りをします。
もとの数 \( 14 → 1.4 \times 10^1 \) より10 の指数が1 なので、計算結果に \( 10^{1 \times 2} = 10^2 \) を掛けます。
計算尺による数値の計算結果は「1.96」だったので、答は「 \( 1.96 \times 10^{1 \times 2} = 1.96 \times 10^2 = 196 \) 」になります。

計算例2 \( 703^2 \)

(1)\( 703 → 7.03 \times 10^2 \) として、D 尺の「7.03」にカーソル線を合わせます。

(2)そのままA 尺を見ます。カーソル線が \(A_2\) 尺(A 尺の10 から 100までの範囲)に答の「49.4」を示します。
答が10 から 100の間になるように目盛りを読みましょう。

(3)位取りをします。
もとの数 \( 703 → 7.03 \times 10^2 \) より10 の指数が2 なので、計算結果に \( 10^{2 \times 2} = 10^4 \) を掛けます。
計算尺による数値の計算結果は「49.4」だったので、答は「 \( 49.4 \times 10^{2 \times 2} = 49.4 \times 10^4\) \( = 4.94 \times 10^5= 494 000 \) 」になります。

計算例3 \( 0.253^2 \)

(1)\( 0.253 → 2.53 \times 10^{-1} \) として、D 尺の「2.53」にカーソル線を合わせます。

(2)そのままA 尺を見ます。カーソル線が \(A_1\) 尺(A 尺の1 から 10までの範囲)に答の「1.96」を示します。

(3)位取りをします。
もとの数 \( 0.253 → 2.53 \times 10^{-1} \) より10 の指数が -1 なので、計算結果に \( 10^{-1 \times 2} = 10^{-2} \) を掛けます。
計算尺による数値の計算結果は「6.40」だったので、答は「 \( 6.40 \times 10^{-1 \times 2} = 6.40 \times 10^{-2} = 0.0640 \) 」になります。

計算例4 \( 0.00329^2 \)

(1)\( 0.00329 → 3.29 \times 10^{-3} \) として、D 尺の「3.29」にカーソル線を合わせます。

(2)そのままA 尺を見ます。カーソル線が \(A_2\) 尺(A 尺の10 から 100までの範囲)に答の「10.82」を示します。
答が10 から 100の間になるように目盛りを読みましょう。

(3)位取りをします。
もとの数 \( 0.00329 → 3.29 \times 10^{-3} \) より10 の指数が -3 なので、計算結果に \( 10^{-3 \times 2} = 10^{-6} \) を掛けます。
計算尺による数値の計算結果は「10.82」だったので、答は「 \( 10.82 \times 10^{-3 \times 2} = 10.82 \times 10^{-6}\) \( = 1.082 \times 10^{-5}= 0.00001082 \) 」になります。

精度を上げたい場合は普通の掛け算が有用なことも

このページの最初で説明したように、A 尺は2 つの対数目盛( \(A_1\) 尺と \(A_2\) 尺)が横に並んだ形をとっています。そのため、目盛りの幅がC 尺やD 尺と比べて狭い分、目盛りを細かいところまで読めず計算精度が出ないことがあります。
そのような場合は、ある数 N の二乗 \( N^2 \) を計算したいときは \( N \times N \) と普通の掛け算をすることで計算精度が上がることがあります。

要求される計算精度に応じてA 尺を上手に使いましょう。

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