三乗根の計算 【計算尺の使い方17】

slide rule/計算尺


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「計算尺の使い方」まとめ

三乗の計算で使うK 尺の特徴

計算尺で三乗を計算するときは、D 尺とK 尺を使います。
三乗の計算で混乱しないためには、K 尺の特徴を知っておく必要があります。

K 尺の目盛りは、左端が「1」、右端の目盛りは「1000」(円計算尺では 1 周して「1」)となっています。そして左から3 分の1 (円計算尺では時計周りに3 分の1 周)に「10」、左から3 分の2 (円計算尺では時計周りに3 分の2 周)に「100」の目盛りが振られています。
以下の図に示すように、K 尺は3 つの対数目盛を横に並べ、1 から 1000 までの対数目盛りが振られています。
説明のため、K 尺の1 から 10 までの部分を \(K_1\) 尺、10 から 100 までの部分を \(K_2\) 尺、100 から 1 000 までの部分を \(K_3\) 尺と呼ぶことにします。

\(K_1\) 尺・ \(K_2\) 尺・ \(K_3\) 尺の使い分けと位取り

三乗根の計算では、計算のもとになる数、つまり\( \sqrt[3]{N} \) の N にあたる数値を K 尺に置きます。この N を  \(K_1\) 尺(K 尺の1 から 10までの範囲)、\(K_2\) 尺(K 尺の10 から 100までの範囲)、\(K_3\) 尺(K 尺の100 から 1000までの範囲)のどこに置くべきか判断しなければなりません。

K 尺の中のどの目盛りを使うべきか判断するには、まず小数点から右または左に数字を3 桁ずつ区切ります。そして0 でない一番左側にある区切りの有効数字が1 桁の場合 \(K_1\) 尺、有効数字が2 桁の場合 \(K_2\) 尺、有効数字が3 桁の場合 \(K_3\) 尺を使うようにします。

そして三乗根の位取りは、小数点から右と左に数字を3 桁ずつ区切ったときの区切りによって決めることができます。

具体例をご覧いただいた方が理解しやすいと思うので、いくつか紹介します。

(1)\( \sqrt[3]{82} \)

(2)\( \sqrt[3]{2310} \)

(3)\( \sqrt[3]{0.47} \)

(4)\( \sqrt[3]{0.000062} \)

三乗根の計算の位取りについても、上のやり方を覚えてしまえば他の計算の位取りと比べてとても簡単かつ明瞭です。

それでは実際に計算尺を使って計算してみましょう。

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計算例1 \( \sqrt[3]{82} \)

(1)最初に  \(K_1\) 尺、\(K_2\) 尺、\(K_3\) 尺のうちどれを使うべきか判断します。
上で紹介した方法によって、 \(\sqrt[3]{82}\) を計算する場合は \(K_2\) 尺を使います。

(2) \(K_2\) 尺の「82」にカーソル線を合わせます。

(3)そのままD 尺を見ます。カーソル線がD 尺上に答の「4.34」を示します。

(4)位取りをします。
上で紹介した方法によって、計算結果の数字は 1 の位から始まることがわかります。よって、この計算の答は「4.34」です。

計算例2 \( \sqrt[3]{2310} \)

(1)最初に  \(K_1\) 尺、\(K_2\) 尺、\(K_3\) 尺のうちどれを使うべきか判断します。
上で紹介した方法によって、 \(\sqrt[3]{2310}\) を計算する場合は \(K_1\) 尺を使います。

(2) \(K_1\) 尺の「2.31」にカーソル線を合わせます。

(3)そのままD 尺を見ます。カーソル線がD 尺上に答の「1.322」を示します。

(4)位取りをします。
上で紹介した方法によって、計算結果の数字は 10 の位から始まることがわかります。よって、この計算の答は「13.22」です。

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計算例3 \( \sqrt[3]{0.47} \)

(1)最初に  \(K_1\) 尺、\(K_2\) 尺、\(K_3\) 尺のうちどれを使うべきか判断します。
上で紹介した方法によって、 \(\sqrt[3]{0.47}\) を計算する場合は \(K_3\) 尺を使います。

(2) \(K_3\) 尺の「470」にカーソル線を合わせます。

(3)そのままD 尺を見ます。カーソル線がD 尺上に答の「7.77」を示します。

(4)位取りをします。
上で紹介した方法によって、計算結果の数字は 小数点以下第 1 位から始まることがわかります。よって、この計算の答は「0.777」となります。

計算例4 \( \sqrt[3]{0.000062} \)

(1)最初に  \(K_1\) 尺、\(K_2\) 尺、\(K_3\) 尺のうちどれを使うべきか判断します。
上で紹介した方法によって、 \(\sqrt[3]{0.000062}\) を計算する場合は \(K_2\) 尺を使います。

(2) \(K_2\) 尺の「62」にカーソル線を合わせます。

(3)そのままD 尺を見ます。カーソル線がD 尺上に答の「3.956」を示します。

(4)位取りをします。
上で紹介した方法によって、計算結果の数字は 小数点以下第 2 位から始まることがわかります。よって、この計算の答は「0.03956」となります。

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