cos の計算(0°~84°)【計算尺の使い方24】


「計算尺の使い方」まとめ

cos の計算

「計算尺に関する予備知識」で少し触れていますが、計算尺での \( \cos \) の計算では \( \cos \theta = \sin (90^\circ – \theta ) \) という公式を使って \( \sin \) に直してから計算します。そのため、計算のやり方自体は「sin の計算(6°~90°)」で紹介した方法と変わりありません。

\( \sin \) の計算では、角度が \(6^\circ \) から \(90^\circ \) の場合は「S 尺」を使って計算しました。 \( \cos \) の計算では \( \cos \theta = \sin (90^\circ – \theta ) \) という公式を使って \( \sin \) に直すことから、角度が \(0^\circ \) から \(84^\circ \) の場合に「S 尺」と「D 尺」を使って計算をします。

計算例1 \( \cos 24^\circ \)

(1)はじめに \( \cos \theta = \sin (90^\circ – \theta ) \) の公式によって \( \cos \) を \( \sin \) に直します。計算尺では引き算ができないので、暗算か筆算で計算します。
\( \cos 24^\circ = \sin (90^\circ – 24^\circ ) \)\( = \sin 66^\circ \) となることから、\( \sin 66^\circ \) を計算尺で計算します。

(2)D 尺の基線とS 尺の基線が一致していることを確認します。

(3)S 尺の \(66^\circ \) にカーソル線を合わせます。

(4)そのままD 尺の目盛りを読み、答の数値として「9.13」を得ます。

(5)位取りをします。
「計算尺に関する予備知識」にまとめた通り、 角度が \(6^\circ \) 以上の \( \sin \) の値は0.1 の位になります。したがって、この計算の答は「0.913」となります。

計算例2 \( \cos 70^\circ 52′ \)

(1)はじめに \( \cos \theta = \sin (90^\circ – \theta ) \) の公式によって \( \cos \) を \( \sin \) に直します。計算尺では引き算ができないので、暗算か筆算で計算します。
\( \cos 70^\circ 52′ = \sin (90^\circ – 70^\circ 52′ ) \)\( = \sin 19^\circ 08′ \) となることから、\( \sin 19^\circ 08′ \) を計算尺で計算します。

(2)D 尺の基線とS 尺の基線が一致していることを確認します。

(3)S 尺の \(19^\circ 08’\) にカーソル線を合わせます。

(4)そのままD 尺の目盛りを読み、答の数値として「3.276」を得ます。

(5)位取りをします。
「計算尺に関する予備知識」にまとめた通り、 角度が \(6^\circ \) 以上の\( \sin \) の値は0.1 の位になります。したがって、この計算の答は「0.3276」となります。

計算例3 \( \cos 41.73^\circ \)

「S 尺」の目盛りは度、分で目盛りが振られていますので、小数点以下の部分を「分」に直す必要があります。
これは小数点以下の部分に60 を掛けることで計算ができます。せっかく計算尺を使っているので、この計算も計算尺を使ってみましょう。

(1)はじめに \( \cos \theta = \sin (90^\circ – \theta ) \) の公式によって \( \cos \) を \( \sin \) に直します。計算尺では引き算ができないので、暗算か筆算で計算します。
\( \cos 41.73^\circ = \sin (90^\circ – 41.73^\circ ) \)\( = \sin 48.27^\circ \) となります。

(2)角度を「度・分・秒」の形に直します。
\(0.27^\circ \) の部分を「分」になおすため \(0.27 \times 60\) を計算します。D 尺の「2.7」にカーソル線を合わせ、C 尺の「6.0」とカーソル線が合うように内尺を動かします。

(3)カーソル線をC 尺の左基線「10」に合わせると、答として「1.62」を得ます。
概算で位取りをすると \(0.27 \times 60 → 0.3 \times 60 = 18\) なので、\(0.27^\circ = 16.2’\) であることがわかります。したがって、「分」の小数点以下の部分を四捨五入して \(48.27^\circ \approx 48^\circ 16′ \) として計算をします。

(4)S 尺を使って \( \sin \) の計算をします。D 尺の基線とS 尺の基線が一致していることを確認します。

(5)S 尺の \(48^\circ 16’\) にカーソル線を合わせます。
・・・実際にやってみますと、 \( 16’\) の部分にカーソル線を合わせるのは難しいかもしれません。\(48^\circ 00’\) と \(48^\circ 30’\) に目盛り線があるので、その真ん中( \(48^\circ 15’\) )にカーソル線を合わせて、そこから極わずかに \(48^\circ 30’\) 寄りにカーソルをずらす感じで \(48^\circ 16’\)  にカーソル線を合わせます。

(6)そのままD 尺の目盛りを読み、答の数値として「7.455」を得ます。

(7)位取りをします。
「計算尺に関する予備知識」の通り、 角度が \(6^\circ \) 以上の \( \sin \) の値は0.1 の位になります。したがって、この計算の答は「0.7455」となります。

その他の計算方法について

ここでは \( \cos \theta = \sin (90^\circ – \theta ) \) という公式を使って計算する方法を紹介しました。
計算尺では\( \sin \) と \( \tan \) についてはそれぞれ「S 尺」「T 尺」の目盛りがあることから、 \( \cos \theta = \sin \theta \times \)\( \large \frac{\cos \theta}{\sin \theta} \)\( \large =\frac{\sin \theta}{\tan \theta} \) という公式を使って計算する方法もあります。この方法で計算しても当然計算結果は同じですが、内尺を動かして計算する必要があるためその分誤差が大きくなる可能性があります。
近日中にご紹介する予定の、三角関数を含む掛け算・割り算の方法で試していただくのもおもしろいと思います。

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