掛け算の計算方法は2種類
計算尺での掛け算のやり方は「内尺法」と「標線法」の2種類があります。
基本的には、このどちらの方法でも掛け算はできますが、後々3数以上の掛け算・割り算や様々な種類の計算をしていく上では、どちらも習得しておくことが望ましいです。
どちらも、実際に計算尺を動かして慣れるのが一番だと思います。
ここでは最も単純な掛け算の例として
2 × 3 = 6
を計算尺で計算してみましょう。
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1 内尺法での計算方法
内尺法では、外尺にある「D 尺」と内尺にある「CI 尺」を使って計算します。
計算尺の操作の基本は、外尺にあるD 尺に答が出るようにすることです。
(1)まずはD 尺とCI 尺がどれか確認しましょう。
(2)2 × 3 を計算する場合、D 尺の「2」にカーソル線を合わせます。
(3)次に、CI 尺の「3」とカーソル線が合うように内尺を動かします。
(4)カーソルだけを CI 尺の基線「1」へ動かします。
(5)CI 尺の基線「1」にカーソル線を合わせると、D 尺上でカーソル線が答の「6」を示します。
これが計算尺の基本的な計算方法になります。
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円形計算尺でもやり方は全く同じです。
(1)まずはD 尺とCI 尺がどれか確認しましょう。
(2)2 × 3 を計算する場合、D 尺の「2」にカーソル線を合わせます。
(3)次に、CI 尺の「3」とカーソル線が合うように内尺を動かします。
(4)カーソルだけを CI 尺の基線「1」へ動かします。
(5)CI 尺の基線「1」にカーソル線を合わせると、D 尺上でカーソル線が答の「6」を示します。
内尺法での掛け算のやり方は基本的に以上のとおりです。
毎回写真ですと目盛りが読みづらかったりと不便ですので(何より執筆者の私がかなり手間なので)、以降は以下のような模式図で計算方法を紹介したいと思います。
参考までに、今まで写真で紹介した 2 × 3 = 6 の内尺法を用いた計算方法を模式図で紹介します。
(1)内尺法で掛け算をする場合に使う目盛りは、外尺の「D 尺」と内尺の「CI 尺」です。
D 尺に答が出るように操作するのが基本です。
(2)2 × 3 を計算する場合、D 尺の「2」にカーソル線を合わせます。
(3)次に、CI 尺の「3」とカーソル線が合うように内尺を動かします。
(4)CI 尺の基線「1」にカーソル線を合わせると、カーソル線がD 尺上に答の「6」を示します。
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2 標線法での計算方法
標線法では、外尺にある「D 尺」と内尺にある「C 尺」を使って計算します。
標線法でも、外尺にあるD 尺に答が出るように計算尺を操作します。
以下、模式図を使いながら計算方法を紹介します。
(1)標線法で掛け算をする場合に使う目盛りは、外尺の「D 尺」と内尺の「C 尺」です。
(2)2 × 3 を計算する場合、D 尺の「2」にカーソル線を合わせます。
(3)次に、C 尺の基線である「1」とカーソル線が合うように内尺を動かします。
(4)2 × 3 の場合、C 尺の「3」にカーソル線を合わせると、カーソル線がD 尺上に答の「6」を示します。
内尺法と標線法はどちらもできるように
内尺法と標線法は、どちらも操作自体は難しくありません。なので、どちらでも計算できるように、どちらも計算方法を覚えておくのが望ましいです。
2つの数だけの掛け算であれば、どちらの方法を使っても問題ありません。しかし3つ以上の数の掛け算と割り算の組み合わせを計算したり、掛け算・割り算以外の計算(三角関数、指数・対数など)を計算していく上では、どちらの方法でも計算ができないと困ってしまうことがあります。
「標線法」ではそのままだと答が出ない「目外れ」が起きてしまう場合があります。目外れの場合の計算方法については「『目外れ』する場合の掛け算のやり方」で解説しています。
「内尺法」、「標線法」という名前を覚える必要はありません。
どの尺をどのように組み合わせれば掛け算ができるかを覚えておきましょう。
最初のうちは、どちらをどう使えばいいか覚えるのが大変だと思いますが、そのようなときは今回の例のように、2 × 3 = 6 の計算をしてみましょう。答の「6」を導けるのが正しい方法だと確認できます。
計算尺に関する記事一覧
当サイトで紹介している計算尺の使い方に関する記事一覧は、カテゴリーの「計算尺 / Slide rule」のほか「計算尺の使い方」まとめページでご覧いただけます。
(2020年2月6日更新)