三乗を含む掛け算・割り算 【計算尺の使い方18】

「計算尺の使い方」まとめ

計算例1 \( 3.08^3 \times 0.63 \)

二乗を含む掛け算・割り算と同様に、三乗を含む掛け算と割り算では少し計算テクニックが必要です。

まずは式全体を三乗根にして、最後に結果を三乗するように変形します。
$$3.08^3 \times 0.63 = ( 3.08 \times \sqrt[3]{0.63} )^3 $$

つまり、最初に \( 3.08 \times \sqrt[3]{0.63} \) を計算してから最後にその計算結果を三乗します。さらに
$$ ( 3.08 \times \sqrt[3]{0.63} = ( \sqrt[3]{0.63} \times 3.08 )^3 $$

というように、三乗根が計算の最初になるように式を変形してから計算します。

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(1)三乗を含む掛け算では、K 尺とCI 尺(内尺法の場合)を使います。

(2) \( \sqrt[3]{0.63} = \sqrt[3]{0.630} \) として、K 尺の「630」にカーソル線を合わせます。

補足しますと、このときカーソル線はD 尺上に\( \sqrt[3]{0.63} \) の答を示しています。K 尺上の数値は \( \sqrt[3]{0.63} \)  の三乗となります。

(3)内尺法による掛け算の操作なので、CI 尺の「3.08」とカーソル線が合うように内尺を動かします。

(4)CI 尺の基線「10」にカーソル線を合わせると、カーソル線がK 尺上に答の「18.4」を示します。

(5)位取りをします。
概算で、3.08 → 3、0.63 → 1 とすると、\( 3.08^3 \times 0.63 → 3^3 \times 1 \)\( = 27 \) となります。
計算尺の計算による数値は「18.4」→「1.84」(※注意)なので、この計算の答は27 前後で 有効数字が「1.84」となる数字ということで「18.4」となります。

※注意
三乗を含む掛け算の場合、\(K_2\) 尺に答が出た場合も数値を 1 から 10 の間で読みます。
位取り(概算など)によって最終的な答の桁を決めるので、計算尺の計算で求めるのは有効数字部分の数値だけになります。

また、上では(2)で「K 尺の『630』にカーソル線を合わせます。」としていますが、二乗を含む掛け算・割り算と同様、三乗の掛け算ではK 尺の\(K_1\) 尺(K 尺の1 から10)、\(K_2\) 尺(K 尺の10 から100)、\(K_3\) 尺(K 尺の100 から1000)のどの部分で計算しても、同じ結果が得られます。

計算例2 \( 4280 \div 5.53^3 \)

割り算の場合も、まずは式全体を三乗根にして、最後に結果を三乗するように式を変形します。
今回の計算例では次のように変形します。
$$4280 \div 5.53^3 = ( \sqrt[3]{4280} \div 5.53 )^3 $$

ここで、式を変形したときに三乗根が最初に来るかどうかで計算の方法が変わります。
三乗根が後に来る場合はこの後の「計算例3」でやり方を紹介します。
この例では \( \sqrt[3]{4280} \div 5.53 \) と計算の最初に三乗根が来るので、このまま計算を続けます。

(1)三乗を含む割り算では、K 尺とC 尺(内尺法の場合)を使います。

(2) \( \sqrt[3]{4280} \) として、K 尺の「4.28」にカーソル線を合わせます。

補足しますと、このときカーソル線はD 尺上に\( \sqrt[3]{4280} \) の答を示しています。K 尺上の数値は \( \sqrt[3]{4280} \)  の三乗となります。

(3)内尺法による割り算の操作なので、C 尺の「5.53」とカーソル線が合うように内尺を動かします。

(4)C 尺の基線「10」にカーソル線を合わせると、カーソル線がK 尺上に答の「25.3」を示します。

(5)位取りをします。
概算で、4280 → 5000、5.53 → 5 とすると、\( 4280 \div 5.53^3 → 5000 \div 5^3 \)\( = 1000 \div 5^2 = 40 \) となります。
計算尺の計算による数値は「25.3」→「2.53」(※注意)なので、この計算の答は40 前後で 有効数字が「2.53」となる数字ということで「25.3」となります。

※注意
三乗を含む掛け算の場合、\(K_2\) 尺に答が出た場合も数値を 1 から 10 の間で読みます。
位取り(概算など)によって最終的な答の桁を決めるので、計算尺の計算で求めるのは有効数字部分の数値だけになります。

また、上では(2)で「K 尺の『4.28』にカーソル線を合わせます。」としていますが、二乗を含む掛け算・割り算と同様、三乗の掛け算ではK 尺の\(K_1\) 尺(K 尺の1 から10)、\(K_2\) 尺(K 尺の10 から100)、\(K_3\) 尺(K 尺の100 から1000)のどの部分で計算しても、同じ結果が得られます。

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計算例3 \( 62.1^3 \div 93.5 \)

計算例1、計算例2と同様、まずは式全体を三乗根にして、最後に結果を三乗するように式を変形します。
今回の計算例では次のように変形します。
$$62.1^3 \div 93.5 = ( 62.1 \div \sqrt[3]{93.5} )^3 $$

この計算例では、式を変形したときに三乗根が後に来ます。割り算の場合、掛け算のように数値を入れ替えることができないので、計算例1、計算例2とは計算の仕方が異なります。
また、三乗根が後にくる割り算の計算では、逆数にして計算する工夫も必要です。つまり、
$$ 62.1 \div \sqrt[3]{93.5} = \frac{1}{ \sqrt[3]{93.5} / 62.1} $$
として計算します。この計算結果を最後に三乗します。

(1) \( \Large \frac{1}{ \sqrt[3]{93.5} / 62.1} \) を計算します。逆数の計算では、分母の部分にあたる \(\sqrt[3]{93.5} \div 62.1 \) を計算する手順で計算を始めます。
はじめに\( \sqrt[3]{93.5} \) としてK 尺の「93.5」にカーソル線を合わせます。

(2) \( \div 62.1 \) を計算します。62.1 → 6.21 として、C 尺の「6.21」とカーソル線が合うように内尺を動かします。

(3) \( \sqrt[3]{93.5} / 62.1 \) の逆数を計算したいので、D 尺の基線「1」に合うようにカーソル線を動かします。カーソル線がC 尺上に \( \sqrt[3]{93.5} / 62.1 \) の逆数の答として「1.369」を示します。

(4)「1.369」の三乗を計算します。D 尺の「1.369」にカーソル線を合わせます。K 尺上に答の「2.57」が示されます。

(5)位取りをします。
概算で、62.1 → 60、93.5 → 100 とすると、\( 62.1^3 \div 93.5 → 60^3 \div 100 \)\( = 6^3 \times 1000 \div 100 = 36 \times 60 \)\( → 40 \times 60  = 2400 \) となります。
計算尺の計算による数値は「2.57」ので、この計算の答は「2 570」となります。

逆数の計算方法はこのページで初めて紹介しました。
C 尺とD 尺を間違えないようにご注意ください。

(2021年3月28日 更新)

計算尺に関する記事一覧

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2 thoughts on “三乗を含む掛け算・割り算 【計算尺の使い方18】

  1. Jochen

    五月の蝿と化したJochenです。
    毎度の些末な指摘で済みません。
    この回の計算例1の(4)の補足の所ですがカーソルはD尺上に0.63の三乗根掛ける3.08を、K尺上にその三乗を示していると思われます。
    でないと計算例2の(4)の補足説明の記載形式とも呼応しないのではないかと思いました。
    また、次の回の計算例2の57.5の立方根の所ですがD尺上に4.1とありますが自分の計算尺では3.85付近を示しています。
    最終的な答えに影響はないのですが私よりも更に初心者の方が見たときに混乱する可能性も無きにしもあらずと思いましたので書かせて頂きました。
    今、当siteで説明された二乗、二乗根、三乗、三乗根を使った例題を例題とその答えだけをメモして何回も練習しています。
    なかなかスピードが上がりませんが頭の体操にはなります。
    それから元素の周期表もダウンロードさせて頂きました。
    これから自宅のA3インクジェットプリンターを使ってA3の写真紙に印刷するつもりです。
    計算尺の使い方から周期表まで有難う御座いました。
    これからも記事楽しみにしています。

  2. Yoshi-G 投稿作成者

    Jochen 様

    当サイト管理人のよしじでございます。
    この度はコメントの確認と返信が大変遅くなりまして申し訳ございませんでした。
    年度末で本業が忙しいことに加えて、色々手を広げすぎてしまいウェブサイトの確認が疎かになっておりました。

    そしてこの度もご指摘いただきまして、誠にありがとうございました。
    いずれのページについても、私のレベルの低いミスでお恥ずかしい限りです。
    おかげさまでご指摘いただいた点を修正できました。
    この記事の次のページ「三乗根を含む掛け算・割り算」の間違いについては、何をどう読み間違えていたのかもわからず仕舞いで情けない限りです。

    A尺とK尺は私もよく頭が混乱します。
    過去の技術者の方々には頭が下がる思いです。
    また、元素周期表にも興味をお持ちいただけて、大変光栄です。

    Jochen 様からいただいたアイディア、P尺の解説について記事が3月中に間に合わない状態で、大変申し訳ございません。
    遅くても5月の連休までには形にしたいと思っておりますので、気長にお待ちいただけますと幸いです。
    今後も遠慮なくご指摘いただけますと、私自身も励みになります。
    引き続きよろしくお願いいたします。

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