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「計算尺の使い方」まとめ
tan の計算
\( \tan \) の計算では \( \sin \) や \( \cos \) の計算よりもさらに細かい目盛りの使い分けが必要です。具体的には \( \tan 6^\circ \) から \( \tan 45^\circ \) までの計算では「T1 尺」、\( \tan 45^\circ \) から \( \tan 84^\circ \) までの計算では「T2 尺」を使います。
\( \sin \) の計算の場合と同様「T1 尺」と「T2 尺」は内尺にあるので、計算をする前に「D 尺」の基線と「T1 尺」・「T2 尺」の基線がぴったりそろうように内尺を動かして調整します。このときは、一般の計算尺であれば左右両方の基線を確認するのが望ましいです。
なお、計算尺によっては「T2 尺」がなく「T1 尺」だけのもの(「T 」とだけ書かれた目盛りがあるもの)もあります。このような計算尺で \( \tan 45^\circ \) から \( \tan 84^\circ \) までの計算をする方法は、「三角関数の逆数の計算」で紹介しています。
計算例1 \( \tan 32^\circ 10’\)
(1)角度が \(6^\circ \) から \(45^\circ \) の間なので、この計算では「T1 尺」を使います。
計算の前にD 尺の基線とT1 尺の基線が一致していることを確認します。
(2)T1 尺の \(32^\circ 10’\) にカーソル線を合わせます。
(3)そのままD 尺の目盛りを読み、答の数値として「6.28」を得ます。
(4)位取りをします。
「計算尺での三角関数計算に関する予備知識」にまとめた通り、 角度が \(6^\circ \) 以上\(45^\circ \) 未満の \( \tan \) の値は0.1 の位になります。したがって、この計算の答は「0.628」となります。
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計算例2 \( \tan 68^\circ 22’\)
(1)角度が \(45^\circ \) から \(84^\circ \) の間なので、この計算では「T2 尺」を使います。
計算の前にD 尺の基線とT2 尺の基線が一致していることを確認します。
(2)T2 尺の \(68^\circ 22’\) にカーソル線を合わせます。
・・・\( 22’\) の部分にカーソル線を合わせるには、\(68^\circ 20’\) と \(68^\circ 40’\) の間を目分量で10 等分します。目分量で10 等分するのが難しければ、 \(68^\circ 20’\) からカーソル線の幅分くらいカーソルをわずかに動かす感じで合わせてみます。
(3)そのままD 尺の目盛りを読み、答の数値として「2.520」を得ます。
(4)位取りをします。
「計算尺での三角関数計算に関する予備知識」にまとめた通り、 角度が \(45^\circ \) 以上\(84^\circ \) 未満の \( \tan \) の値は1 の位になります。したがって、この計算の答は「2.520」となります。
角度が\( 6^\circ ~ 84^\circ \) 以外の場合の\( \tan \)の計算
角度が \(6^\circ \) 以下の場合は、このあと紹介する「ST 尺」等を使うことで計算します。これについては「角度が6°以下の sin と tan の計算」をご覧ください。
また角度 \(84^\circ \) 以上の場合は、\(6^\circ \) 以下の tan の計算と tan の逆数の計算を組み合わせることで計算します。これについては「三角関数の逆数の計算」をご覧ください。
計算尺に関する記事一覧
当サイトで紹介している計算尺の使い方に関する記事一覧は、カテゴリーの「計算尺 / Slide rule」のほか「計算尺の使い方」まとめページでご覧いただけます。