テント泊の許可申請方法1(FAXでの申請)【グランドキャニオン観光】

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まとめページ「グランドキャニオンを自由に歩きたい人のために」

このページの要点

許可申請前の確認事項

「トレッキングの計画」を参考にグランドキャニオンの谷底へのトレッキング計画が立ちましたら、実際に許可申請書を提出しましょう。

ただし、提出前にグループリーダーとなる方は「ルールと規則(Backcountry Rules and Regulations)」を確認し、把握しておきましょう。申請書を提出した時点で、グランドキャニオン国立公園の定めるルールと規則を承認したことになります。
内容は次のリンク先のとおりです。
Backcountry Rules and Regulations – Grand Canyon National Park Arizona

内容は色々あります。
自然保護に関わることですと、トレッキングルートを外れないこと、ゴミは持ち帰る、沢での石鹸の使用禁止や沢の近くでの宿泊禁止があります。木や炭を使ったたき火は禁止です。(火の取扱は食料の準備に影響してきます。)
また、申請した日付・人数での宿泊の徹底や、商用利用の場合は別の許可が必要等の規則も書いてあります。

英文ですが、15条だけなので必ず把握しておいてください。

許可申請のタイミング

「準備スケジュール」のページでも紹介していますが、テント泊の許可申請のタイミングは3回です。ただし、時間はすべて現地時間(アメリカ山岳部時間)です。

できれば①または②のタイミングで許可が下りるように、訪問予定の3か月前から準備しておくのが安心です。空きさえあれば、1か月前でも許可はおります。
(当ウェブサイトの管理人は、2020年3月初頭に③の直前申請で許可を得ました。)

① Earliest Consideration Requests

テント泊をする予定の月の5か月前の月の20日から、4か月前の月の1日午後5時までです。
具体的には、例えば8月1日にテント泊をしたい場合は、現地時間の3月20日から4月1日午後5時までに許可申請を提出します。
3月31日にテント泊をしたい場合は、現地時間で前年の10月20日から11月1日午後5時までに許可申請を提出します。

メールやインターネットでは申請できません。日本からは国際FAX を使うことになります。
許可が下りるかどうかは抽選によるので、この時点で許可が得られるかどうかはわかりません。結果(許可が下りた場合は許可証も)は後日メールで届きます。

② Subsequent Requests

テント泊をする予定日の3か月前の月の1日から、遅くても2週間前までです。
具体的には、例えば8月1日にテント泊をしたい場合は、5月1日から7月18日までに許可申請を提出します。
3月31日にテント泊をしたい場合は、前年の12月1日から同年3月17日までに許可申請を提出します。

メールやインターネットでは申請できません。日本からは国際FAX を使うことになります。事務所に直接電話して、空いているキャンプ場と日付を確認してから申請書を提出します。
基本的に空きがあれば先着順に許可が下りるので、書類の不備や申請期限ギリギリでなければ許可は下りやすいです。(申請方法がアナログなので、稀に入れ違いでキャンプ場が埋まってしまうということもあるそうですが。)
結果(許可が下りた場合は許可証も)は後日メールで届きます。

③ Last Minute Permit for Corridor Campgrounds

旅行中、現地で窓口が開いている時間(朝8時から正午、午後1時から午後5時)に直接「Back Country Information Center」内の窓口へ行って許可申請を行います。許可申請を行った時点で「Waiting List」に名前を載せてもらうことになり、その順番に許可が下りることになります。

朝一番に申請をして、その日のうちに申請が通ることもあれば、翌日以降にキャンプ場の空きの数だけ「Waiting List」順に許可が下りるということもあります。
許可証は事務所で発行されその場で手渡されます。

この方法については「テント泊の許可申請方法2(窓口での直前申請)」で詳しく紹介しています。

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申請書の記入方法

申請書は「バックカントリー許可」のウェブサイト(Backcountry  Permit – Grand Canyon National Park Arizona)の上から4分の1くらいにある項目「How to Apply」の「Backcountry Permit Request Form (PDF file)」の2枚目です。
これに必要事項を入力・記入して、国際FAX で国立公園の事務所に送ります。

記入例として、「東京都千代田区千代田0丁目0-0」に住んでいる「あい うえお」さんが2人グループでテント泊の許可申請を出す場合の申請書を作ってみました。

分かりやすくするためにあえて赤字のペンで記入しました。
PDF ファイルはクレジットカードに関する一部の項目以外は文字入力可能なので、必要事項を入力してから紙を印刷し、黒のペンでクレジットカードに関する部分を記入すれば大丈夫です。

以下、具体的な項目をひとつずつ見ていきましょう。

(1)申請者の情報

・Last Name と First Name はそれぞれ名字と名前になります。
現地で身分証の提示が必要になる場合があるので、パスポートと同じアルファベットの表記にしておきましょう。

・「MI」は Middle name Initial(ミドルネームのイニシャル)、「Suffix」は「〇世」となります。ルパン三世なら「Suffix」に「III」と記入します。
多くの日本人は「MI」と「Suffix」は記入不要かと思います。

・住所は上の記入例のように書きましょう。「State」は日本なら記入不要です。「Zip Code」は郵便番号を書きます。

・「Email Address」は許可申請の可否、許可証のデータが送られてくるのでとても重要です。間違いなく、誤解を与えないように気を付けて記入しましょう。

・「Contact Phone」は国際電話なので、日本での電話番号の頭の「0」を消し、代わりに日本の国コード「+81」を書きましょう。

・「Is this an organized or guided group?」は、ツアー等でなければ「No」にチェックを入れます。

(2)申請するバックカントリーの種類

・テント泊のトレッキングであれば「Backpacking」にだけチェックを入れれば大丈夫です。

・「Stock」は「家畜(livestock)」のことです。ミュールやラバに乗ることを想定した項目です。登山用の杖のことではないので注意しましょう。

・「Canyoneering / Rappelling」はいわゆるロッククライミングです。

・「River Use Indicate」はコロラド川をゴムボートで川下りしたりする場合の項目です。

(3)旅程の詳細

・旅程は2つ記入できます。ここでは「トレッキングの計画」で紹介した「おすすめのトレッキングプラン」の(1)と(2)をそれぞれ記入しています。

・「Camp Location」に宿泊したいキャンプ場の名前を記入します。
5か月前の申請の時点では抽選になるので、それぞれの候補「CHOICE ONE」と「CHOICE TWO」で違うキャンプ場を指定しておく方が許可が下りやすいです。

・「Group Size」と「Minimum Group Size」にはグループの人数を記入します。
トレッキングルート沿いのキャンプ場は、7人以上のグループだとテントを張れる場所が限られます。人数が少ない方が許可は下りやすい傾向にあるそうです。
そうしても7人以上のグループになってしまう場合は、次の「Alternate Start Dates」に余裕を持たせることで、許可をもらえるチャンスを増やしておくとよいと思います。

・「Alternate Start Dates」は出発日に融通が効く場合に、その候補を記入しましょう。
5か月前の申請の時点では抽選になるので、出発日に余裕を持たせた方が許可が下りやすいです。

・旅程に融通が効く場合は「Flexible Itinerary?」の「Yes」にチェックを入れましょう。ただし、ここで「Yes」としたからといって許可が下りやすくなるかどうかはわかりません。

(4)交通手段

・レンタカーの場合は「Rental?」の「Yes」にチェックを入れます。この場合、ナンバープレートの記入は不要です。

・Parking Locationは「Backcountry Information Center」と書いておけば大丈夫です。
実際には現地で駐車場の空きがあるかどうかで車を停める場所も変わってしまうかと思います。

(5)支払方法

・支払いはクレジットカードのみです。現地の窓口でもクレジットカード払いになります。許可が下りなかった場合は請求されません。

・「Method of Payment」に記載のカード(Master Card, Visa, Discover, American Express)しか使えません。

・「Name on Card」は(当たり前ですが)クレジットカードに記載の氏名をそのまま書きます。

・支払額「Total Amount Authorized」は自分で記入します。
具体的な金額は「バックカントリー許可」のウェブサイト(Backcountry  Permit – Grand Canyon National Park Arizona)の上から4分の1くらいにある項目「Permit Cost」に記載されています。
トレッキングルート沿いのキャンプ場の場合、1申請あたり10ドル+グループひとり・一泊あたり8ドルになります。(2020年3月現在)
2人で一泊の場合、1申請あたり10ドルに加えて、ふたり・一泊なので8 × 2 = 16 ドルを加えて合計26ドルになります。

PDF で入力する場合、自動的に計算してくれます。
下の画像のように、「ITINERARY DETAILS」にグループの人数、宿泊日、宿泊場所を入力します。

右上の黄色いボタン「Calculate Cost Estimate」を押すと

ポップアウトが出て費用を計算してくれます。
もちろん、金額が正しいかどうかは確認しましょう。

・「Signiture」にはクレジットカード裏のサインのとおりにサインします。

・右下の「Date」はFAX を送信した日の日付を書きます。

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国際電話と国際FAX について

国際電話と国際FAX は、仕事で使っている方なら難なくできると思いますが、そうでない方にはややハードルが高いと思います。
以下、管理人が実際に行った方法です。

国際電話は Skype の有料プランが安い

許可申請書の提出自体はFAX 送信で済みますが、上の「② Subsequent Requests」の場合は事前に国立公園の事務所へ電話してキャンプ場の空きのある日付を聞く必要があります。また、仕事でもそうしている方が多いと思いますが、FAX を送信した後にちゃんと相手先に届いているかどうか電話をした方が確実です。

電話番号は「バックカントリー許可」のウェブサイト(Backcountry  Permit – Grand Canyon National Park Arizona)の下の方にありますが、

+1-928-638-7875

です。(2020年3月現在)
受付時間は、アメリカ合衆国の祝日を除く現地時間月曜日から金曜日の朝8時から夕方5時までです。電話で対応してくれるのは許可申請等に関する質問と情報提供だけで、許可申請自体は受け付けてくれません。

国際電話をかけるのであれば、自宅の固定電話や携帯電話からよりも、Skype の有料プランが断然安くていいです。
私は自宅のデスクトップの Skype から国立公園の事務所に電話しましたが、何ら問題なく通話できました。さらに、現地ではスマホの Skype アプリから電話もできたので、とても助かりました。(飛行機の遅延トラブルや当日のホテル予約など。)

私は次のウェブサイトの情報をもとにSkype 有料プランを導入しました。ウェブサイトのオーナー様、ありがとうございました。
海外の固定電話への国際通話はSkypeがすごく格安でお得だった – Backyee.com

色々なプランがありますが、「アメリカ合衆国内無制限かけ放題 月450円」が一番安くて便利でした。「おすすめ」といって最初に表示されるプランは単価が高いものが多いので、必ずすべてのプランを確認した方がいいと思います。

また、一度月額プランの支払いをしたら、すぐに解約しても残りの日数は通話ができます。なので国立公園の許可申請がひと段落したら、すぐに有料プランを解約した方がいいです。
当サイトの管理人は、契約更新まであと数日あると思っていたら予定より早く契約更新されていて余計なお金を払ってしまいましたので・・・。

国際FAX はコンビニから送信するのが確実

ご自宅にFAX がある方はご自宅から送信しても大丈夫です。
私は自宅にFAX がないのと、国際FAX の料金がいくらになるのかはっきりわかった方が安心だったので、コンビニからFAX 送信しました。

送信方法は日本国内と全く同じです。電話番号の入力で「+1」としてアメリカ合衆国・カナダの国際電話番号にするだけです。

FAX 番号は「バックカントリー許可」のウェブサイト(Backcountry  Permit – Grand Canyon National Park Arizona)の真ん中および下の方にありますが、

+1-928-638-2125

です。(2020年3月現在)
FAX 送信自体は24時間 365日受け付けています。
FAX を送ってすぐに届いているかを確認したい場合は、電話の受付時間に合わせてアメリカ合衆国の祝日を除く現地時間月曜日から金曜日の朝8時から夕方5時までの間に送信しましょう。

許可申請の可否はメールで知らされる

「① Earliest Consideration Requests」の方法であればテント泊予定月の4か月前の月の間に、「② Subsequent Requests」の方法であれば許可申請書のFAX 送信から数日~1週間以内に許可申請の可否がメールで届きます。

許可が下りる場合も下りなかった場合のどちらでも必ずメールが届きます。いつまで経ってもメールが届かない場合、迷惑メールフォルダに振り分けられていたりしないかどうか確認したり、国立公園の事務所に直接電話して確認しましょう。

ちなみに、私の場合(許可が下りなかった)は次の画像のようなメールが届きました。割と丁寧な内容です。
クレジットカードの引き落としをしない、とも案内されています。

さて、幸運にも許可が下りた場合、必ずこのメール本文と、メールに添付されているはずの許可証のデータを印刷しておきましょう。スマホにデータで入れておく、ではダメです!

理由は、キャンプ場のテント設置スペースごとに透明なポストがあり、このポストの中に印刷した許可証を入れておかないといけないためです。キャンプ場はレンジャーが巡回しているので、許可証が入っていないのにテントが張ってあれば撤去されてしまいます。
逆に、有効な許可証を入れておけば、テントを張ったままかさばる荷物だけ置いて留守にしても大丈夫です。(もちろん貴重品は常に持ち歩いてください。)

テント泊の許可証と、テント設置スペースの透明なポストについては「テント泊の許可申請方法2(窓口での直前申請)」でも説明していますので、そちらも併せてご覧ください。

グランドキャニオンに関する記事一覧

グランドキャニオンに関する記事一覧は、カテゴリーの「旅行 / Travel」のほか、まとめページ「グランドキャニオンを自由に歩きたい人のために」でもご覧いただけます。
注意事項も併せてお読みください。

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