自然対数 ln (log_e) の計算【計算尺の使い方33】


「計算尺の使い方」まとめ

常用対数を計算してから自然対数に変換する

計算尺では自然対数の計算もできます。常用対数を計算してから、その結果を自然対数に変換するという流れになります。

対数には次のような性質があります。

$$ \log_{a}{b} = \frac{\log_{c}{b}}{\log_{c}{a}} $$

この性質を使って、自然対数の底を常用対数に変換してみます。

$$ \log_{e}{x} = \frac{\log_{10}{x}}{\log_{10}{e}} $$

ここで、

$$ \frac{1}{\log_{10}{e}} = 2.302585\cdots $$

なので、次のように自然対数を計算することができます。

$$ \log_{e}{x} = \ln x = 2.30 \times  \log_{10}{x} $$

つまり、計算尺では初めに常用対数\( \log_{10}{x} \) の計算をして、その計算結果に2.30 を掛けることで自然対数を求めます。以降の計算例では、「常用対数 log_10 の計算」「掛け算と『位取り』について」の記事も参考にしてください。
また、自然対数を \( \ln x \) として記します。

計算例1 \( \ln 6.84 \)

(1)はじめにL 尺を使って \( \log_{10}{6.84} \) を計算します。
\( \log_{10}{6.84} = \log_{10}{6.84 \times 10^0} \) なので、\( \log_{10}{6.84} \) の整数部分は「0」です。小数点以下の数値を計算するため、D 尺(内尺にL 尺がある計算尺では C 尺)の「6.84」にカーソル線を合わせます。

(2)そのまま L 尺の目盛りを読み取り「0.835」を得ます。よって、\( \log_{10}{6.84} = 0.835\) です。

(3)つづけて、(2)の計算結果に「2.30」を掛ける計算をします。以下では内尺法で掛け算をしますが、標線法で計算しても構いません。
「0.835」としてD 尺の「8.35」にカーソル線を合わせ(図の①)、CI 尺の「2.30」とカーソル線が合うように内尺を動かします(図の②)。

(4)CI 尺の基線にカーソル線を合わせます。カーソル線がD 尺上に答として「1.922」を示します。

(5)位取りをします。
\(0.835 \times 2.30 \approx 1 \times 2 = 2\) なので、この計算の答は 2の前後になります。よって答は「1.922」です。

計算例2 \( \ln 411 \)

(1)はじめに \( \log_{10}{411} \) を計算します。
\( \log_{10}{411} = \log_{10}{4.11 \times 10^2} \) なので、\( \log_{10}{411} \) の整数部分は「2」です。小数点以下の数値を計算するため、D 尺(内尺にL 尺がある計算尺では C 尺)の「4.11」にカーソル線を合わせます。

(2)そのまま L 尺の目盛りを読み取り「0.614」を得ます。よって、\( \log_{10}{411} = 2.614\) です。

(3)つづけて、(2)の計算結果に「2.30」を掛ける計算をします。内尺法で掛け算をします。
D 尺の「2.614」にカーソル線を合わせ(図の①)、CI 尺の「2.30」とカーソル線が合うように内尺を動かします(図の②)。

(4)CI 尺の基線にカーソル線を合わせます。カーソル線がD 尺上に答として「6.015」を示します。

(5)位取りをします。
\(2.614 \times 2.30 \approx 3 \times 2 = 6\) なので、この計算の答は 6の前後になります。よって答は「6.015」です。

計算例3 \( \ln 0.039 \)

(1)はじめに \( \log_{10}{0.039} \) を計算します。
\( \log_{10}{0.039} = \log_{10}{3.9 \times 10^{-2}} \)\( = -2 + \log_{10}{3.9}\) なので、\( \log_{10}{3.9} \) を計算します。D 尺(内尺にL 尺がある計算尺では C 尺)の「3.9」にカーソル線を合わせます。

(2)そのまま L 尺の目盛りを読み取り「0.591」を得ます。\( \log_{10}{0.039} = -2 + \log_{10}{3.9}\) なので、\( \log_{10}{0.039} = -2 + 0.591 = -1.409\) となります。

(3)つづけて、(2)の計算結果に「2.30」を掛ける計算をします。内尺法で掛け算をします。
D 尺の「1.409」にカーソル線を合わせ(図の①)、CI 尺の「2.30」とカーソル線が合うように内尺を動かします(図の②)。

(4)CI 尺の基線にカーソル線を合わせます。カーソル線がD 尺上に答として「3.243」を示します。

(5)位取りをします。
\(-1.409 \times 2.30 \approx -1.5 \times 2 = -3\) なので、この計算の答は -3の前後になります。よって答は「-3.243」です。

おまけ:自然対数の底(ネイピア数)の覚え方

自然対数の底(ネイピア数)\(e\) の覚え方の例です。
私の周りでは以下の覚え方を知っている人があまりいなかったので、一例として紹介します。

2.7  1828  1828  45904
フナ ヒトハシフタハシ ヒトハシフタハシ スゴクオシ
(鮒ひと箸ふた箸、ひと箸ふた箸、すごく推し)

「鮒うめー!箸が止まらねー!これは超おススメだ!」という状況だそうです。

「4」を「ス」と読ませるのは麻雀をやっている方にはお馴染みかと思います。麻雀用語に馴染みの無い方にはやや強引ですが「シゴクオシ(至極推し)」という覚え方もあります。
それと、「\(\cdots 904\)」の次に続く数字は「5」なので、ここで紹介した小数点以下第14位まででネイピア数を使う時は最後の「4」を四捨五入するのが望ましいと思います。
(円周率と違ってネイピア数の数値を直接使うことって少ないかもしれませんが。)

計算尺に関する記事一覧

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