LL尺を用いたaのb分の1乗の計算(a^{1/b})【計算尺の使い方38】


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「計算尺の使い方」まとめ

指数の計算で使うLL尺について

LL尺を使った指数計算の基本(a の b乗の場合)については「LL尺を用いたaのb乗の計算」で紹介しました。
ここでは、aの b分の1乗( \(a^{1/b}\) )つまり aの b乗根( \( \sqrt[b]{a}\) )の計算方法を紹介します。
A尺を使う2乗根の計算K尺を使う3乗根の計算と比べると計算する機会は少ないと思いますが、LL尺を使うと簡単に計算することができるので覚えておくと便利かと思います。

計算では LL尺と、内尺の C尺を使います。
C尺を内尺法の要領で、指数計算したい LL尺上の数値( \(a\) )に乗数の分母( \( 1/b \) の \(b\) )の数値を合わせて計算します。

計算例1 256 の 1/4 乗(4乗根)

(1)LL3尺の「256」にカーソル線を合わせます。

(2)C尺の「4」がカーソル線に合うように内尺を動かします。

(3)C尺の基線「1」にカーソル線を合わせます。この時、LL尺のどの目盛りを読むべきか確認しましょう。
下の図のように、C尺の「4」から「1」にカーソル線を合わせると、答が LL3尺上に出ることがわかります。

(4)カーソル線が LL3尺に答の「4」を示します。

計算例2 17.5 の 1/15乗(15乗根)

(1)LL3尺の「17.5」にカーソル線を合わせます。

(2)15として、C尺の「1.5」がカーソル線に合うように内尺を動かします。

(3)C尺の基線「1」にカーソル線を合わせます。この時、LL尺のどの目盛りを読むべきか確認しましょう。
下の図のように、C尺の「15」(実際の目盛りは 1.5)から「1」にカーソル線を合わせるようにイメージします。
計算尺上では LL3尺の左端から LL2尺の右端に折り返すことになり、答が LL2尺上に出ることがわかります。

(4)カーソル線が LL2尺に答の「1.211」を示します。
下の図で、黒い点線矢印は実際のカーソル線の動き、薄灰色の点線矢印は上の図のイメージで LL尺の目盛りを追いながらカーソル線を動かした場合の動きをそれぞれ意味しています。

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計算例3 1.82 の 1/0.397乗

(1)LL2尺の「1.82」にカーソル線を合わせます。

(2)0.397として、C尺の「3.97」がカーソル線に合うように内尺を動かします。

(3)C尺の基線「1」にカーソル線を合わせます。この時、LL尺のどの目盛りを読むべきか確認しましょう。
下の図のように、C尺の「0.397」(実際の目盛りは 3.97)から「1」にカーソル線を合わせるようにイメージします。
計算尺上では LL2尺の右端から LL3尺の左端に折り返すことになり、答が LL3尺上に出ることがわかります。

(4)カーソル線が LL3尺に答の「4.52」を示します。
下の図で、黒い点線矢印は実際のカーソル線の動き、薄灰色の点線矢印は上の図のイメージで LL尺の目盛りを追いながらカーソル線を動かした場合の動きをそれぞれ意味しています。(円計算尺ではどちらも同じです。)

このページで紹介した aの 1/b乗(a の b乗根)の計算では内尺法による計算をしているので、計算例の(4)の手順で C尺の基線にカーソル線を合わせる時に目外れすることはありません。

計算尺に関する記事一覧

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